2016/06/09

日本におけるレコーディング定番機材の話と、私が900STも同時に使っている理由

まだ続けるヘッドホン話w


ここまで3回に渡り、私にとってのリファレンスヘッドホンは「MDR-CD1700」という機種で、自分の音作りのアイデンティティでもある、という感じの連載をしてきました。

で、前回記事の最後に、「旧車」「趣味車」を持つ方は大抵他に「通勤車」「ファミリーカー」「営業車」を持っていると思う~旨の話をしました。
今回はそちらの意味での「リファレンス」である仕事用のヘッドホンの話題でも…。


で、せっかくなので導入部は少し話題を広げて(笑)
まずは音スタジオ業界の大定番と呼ばれる機材の紹介でもしましょうかね。

音楽スタジオや映像のMAスタジオ等では、特に日本のスタジオではいくつか「大定番」と呼ばれている機材があります。
(今回はPA業務や映像での音声収録の機材、また海外の話は省きます)

実際に音を記録するレコーダー自体は、アナログのオープンリールから始まってデジタルテープへ、そしてパソコン等のディスクに録音~さらに最近ではメモリーカードのお化けみたいな(SSDとか)物へ収録する時代へと流行は変化してきましたが、マイクやスピーカー等の「音質や音作り確認の重要部分」については四半世紀単位でベストセラー商品が鎮座し続けているのが現状です。
(だからこそ、今回の連載の頭に書いた「リファレンスモニターがいかに重要か」もお分かりいただけるかと思います)

どの機材もスーパーロングセラー商品につき、年代ごとや使用用途の差によって多少異なる仕様で販売されているのですが・・・

■ニアフィールド(近接で鳴らす)モニタースピーカーであれば、前の記事でも出てきました
「YAMAHA NS-10M」シリーズ(愛称:テンモニ)
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今でこそ生産完了品につきパーツの入手も今後厳しくなる事から、現在はさすがに「脱テンモニ」の流れですが、やはり一度天下を取った物だけに、そう簡単に無くなりはしませんね(^^;
ウチの会社スタジオでも現在違うスピーカーをリファレンスとしていますが、当然テンモニは所有していてスグに音を出せるようにしていますし、以前書いたように私も個人で左右1セット持っています。

もっと昔(60年代~70年代)であれば、「AURATONE 5C」が放送局や小規模スタジオでのニアフィールドスピーカーとしては定番だったと思いますが、さすがに最近は見ないかな。
(最近5Cはオリジナルで復刻されているので、入手はできるようです。正直ちょっと欲しいw)

逆に現代ですと、GENELECという会社の商品がポップス~ダンス系を得意とするスタジオを中心に広がりを見せています。

■レコーディングのマイクであれば…
これはもうある程度以上の規模や、小規模でも揃えられるスタジオになると、リファレンスはこれになります。
「Neumann U87」シリーズ(愛称:ハチナナ / パーナナ)
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これはウチの会社の87(U87ai)です。写真には写っていませんがウチのブースには2本が常設されていて、対面して二人分のナレーションが一気に収録できます。
よくメジャーアーティストのボーカル録の風景がテレビに出てきますが、まず間違いなくこのマイクがテレビに映っているはずです(笑)
(更には今から紹介するヘッドホンもw)

さすがにこれは安い所で買っても(正規輸入品だと)30万円以上しますので、私は買えませんw

■で、ヘッドホンになると…
今回の話のメインになります、「MDR-CD900ST」という機種が大定番なんですね。
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会社のブースにも、マイク(U87ai)が2本あるんだから、当然ナレーターさんのモニターになるヘッドホンも900STが2個置いてあります。
で、私も当然のように1個は持っている訳です。


音質はというと…これがメチャ「固い音」と表現するにはピッタリな、カチッとしたモニターな音。
面白くもなんとも無い、逆に言えばアラ探しやマイクと音源の距離感・リップノイズの有無や量なんかを無機的に教えてくれるには素晴らしいヘッドホンだと思っております(^^;

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突然私の部屋にある900STの写真になりますがw
普段から使っている割には綺麗に見えますよね(笑)

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側面もあまり汚れていません(^^)

じゃあほとんど使っていないのか?と言われればそんな事はなく。
現場に持っていけばガンガン使いますし、決して丁寧に扱ったりはしていません(爆)

実はこの機種…音質がどうこうよりも「これぞ業務機種」というメリットがあるんです。
それは
「全てのパーツが部品単位で購入でき、自分で直す(リフレッシュさせる)事ができる」
この一点に尽きます。
イヤーパッドがあるとか無いとか、そんなレベルではなく…

例えばこんな感じで、ドライバー1個、ウレタンリング1つ、ストッパー1個、ネジだけですら純正パーツを注文~修理できるんです。
ちなみにそれを逆手に取って、こんなお遊びをしている方もいるくらいです
【やってみた】MDR-CD900STを一から作ってみた!【前編】

つまり私のヘッドホンも、ガタが来た場所は常々交換しているからこそ、ある一定の状態を保っているという訳です。
(本当はCD1700でこれができたらベストだった)…


そして、私がこれを持っていて使う理由の二つ目。
NS-10M Studio(スピーカー)の時と同じで
「どこのスタジオにもある機材の音は、自分の体に叩き込んでおいて損は無い」
「全国どこにでもあるのだから、出張現場で壊れたとしても、全国どのスタジオ(ポストプロダクション)に問い合わせても同一商品があるから貸してくれる(可能性がある)」

という消極的な理由でもあります。
まあこの場合消極的がダメという事ではなくて、業務としてみた場合「トラブル時の遅延早期解消」「収録品質保持」「安心感」につながり、仕事の質を落とすことなく進められるという事が挙げられますな。

つまり、上記に挙げた「大定番」の機種達に共通する、音質以外でのメリット
「全国どのスタジオにもある」
「業界標準のクオリティで収録・モニタリングできる」
「故障した時もパーツや代替え品の調達が簡単」

などは、車の世界に例えたらハイエースなんかに近いのかな?と思っています。

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そんな訳もあり、現在ウチのヘッドホン駐車場には
・音楽人生のリファレンス、MDR-CD1700が2個
・仕事としてのリファレンス、MDR-CD900ST
の2種類、3個が駐機しているとう事なのでした(^▽^)


さて、次回でヘッドホン話は一旦終了。




次回はいよいよ、リフレッシュした初代CD1700の「音チェック・装着感チェック・長時間モニタリングチェック」を行った報告記事を書くとしましょう♪
もし今回のイヤーパッドで合格点が出た場合は、今後の事も考えて今のうちに何セットか買おうと思います(爆爆)



もう1回だけつづくw
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